「春宿左省」

花(はな)は陰(いん)たり
掖(えき)垣(えん)の暮(くれ) 
啾啾(しゅうしゅう)として棲鳥過(せいちょうす)ぐ

星(ほし)は万(ばん)戸(こ)に臨(のぞむ)みて動き(うご) 
月(つき)は九霄(きゅうしょう)に傍(そ)うて多(おお)し

寝(い)ねずして金(きん)鑰(やく)を聴き
風に因(よ)りて玉珂(ぎょくか)を想う
明(みょう)朝(ちょう)封(ふう)事(じ)有り

数(しば)しば問う 夜は如何(いかん)と

――杜甫「春 左省(さしょう)に宿(しゅく)す」