月はひとりでいるのが哀しくて、
ある日ぽつりと涙をひとつ うみの中へとこぼしました。
 おちた涙を 貝がこくりとのみ込みました。

 そうして ある日
その貝を ひとが見つけてとらえました。
 貝には きれいな白い玉が 入っていました。

 それはまるで 涙のかたちのようでした。


 滅多にとれないその真珠を
人々は月のしずくと呼びました。